ドラゴン桜で紹介された要約力とはどんなものかを紹介したいと思います。
私も実際に大学受験指導に携わっているので、国語の問題で要約の問題というと、大抵の受験生は
- 「要約力無いから嫌だな~」
- 「120字の問題なんて見るだけで嫌」
と思う人が多いと思います。
東大の現代文でも、120字の問題が出るので、そこで要約力が要求されます。
今回は、ドラゴン桜での要約力を紹介するだけで無く、要約力をつけるトレーニング方法も含め経験を基に詳しく紹介します。
さらに!
実は全く鉛筆が動かない生徒が、少しずつでも書き始められるお手軽トレーニング方法があります。
※ドラゴン桜でも紹介されていないものです。
それも含めて紹介しますので、ぜひご覧下さい。
ドラゴン桜で紹介された要約力とは?
さて、ドラゴン桜作中で太宰府先生という国語の先生が、要約力をつけることを推奨しています。
ちなみに要約力は東大の国語を突破するのに絶対に必須です。
東大の国語では、120字の要約問題が課せられる上に、他の記述問題も解答欄が2行しか無いので、「要するにどういうことか」をまとめて答える力が必要ですからね。
さて本題ですが、要約力というのは、文章を読んで、「どういうことか」を短く言い換えてまとめる力。
要約力をつけるには、この「言い換え」の力が一番大事です。
逆に言うと、「言い換え」のトレーニングをすることで要約力を養えます。
ドラゴン桜の作中での要約力トレーニング方法1「キーワード要約」
それでは、ドラゴン桜の作中でのトレーニング方法を紹介します。
まず要約力を養成する方法1「キーワード要約」です。
実際の授業で、太宰府先生は
「『走れメロス』を8個のキーワードで説明せよ」
と指示しました。
そのキーワードは以下。
「邪知暴虐の王 信じる 友 人質 諦める 約束 仲間 メロス」
これらを並び替えて説明しなければなりませんが、
この要約力養成のトレーニングでの重要ポイントが2点有ります。
その並び替え方法ですが、次の2点があります。
- ◎1-a時系列順に並べる方法
- ◎1-b主述関係(主語と述語)でまとめる方法
順に見ていきましょう。
◎1-a時系列順に並べる方法
キーワードの並べ替えの重要ポイント1点目ですが、時系列順に並べること。
つまり、先ほどのキーワード、
「邪知暴虐の王 信じる 友 人質 諦める 約束 仲間 メロス」を
『走れメロス』のストーリーの順にするのです。
中学国語の『走れメロス』を思い出すと、
「メロス」がいる→「邪知暴虐の王」がいる→「信じる」こと→「友」の存在→「人質」にされる→メロスが途中で「諦める」→「約束」を思い出す→「仲間」を助けに行く
つまり、
の順です。
◎1-b主述関係(主語と述語)でまとめる方法
さて、次に
■要約力養成のトレーニング1「キーワードの並べ替え」の重要ポイント2点目、
◎1-b主述関係(主語と述語)でまとめる方法
ですが、これは、主述関係を中心に、人物の状況や変化をまとめていきます。
「メロス」は、「信じる」事を主張していたが、途中一度「諦める」ものの、「約束」を思い出し、「仲間」を助けに行く。
「邪知暴虐の王」は「信じる」ことを疑う。
「友」は、「人質」にされる。
という感じです。
もうひとつのポイントは、「ワード同士を繋げる」です。
先ほどの主語述語でまとめたキーワードを短文にします。
このとき特に、主語を補うことを意識します。
「友:人質 → メロスは友を人質にした」のように、短文を作っていき、最終的にできた短文を並べ替えて繋げることで要約が完成するとのことでした。
ドラゴン桜の作中での要約力トレーニング方法2「キーワード探し」
次に、ドラゴン桜作中の、要約力を養成する方法2「キーワード探し」です。
実際の入試問題においては、要約に書くべきキーワードを自分で探さねばなりません。
ドラゴン桜の作中で、実際に初見の文章からキーワードを見つける方法は3つありました。
- 2-a タイトルから探す
- 2-b 最初と最後の段落に出てくる言葉を探す
- 2-c:接続詞から探す
3つそれぞれ紹介しますね。
◎2-a タイトルから探す
シンプルな方法ですが、その文章の題名が記載されている場合、作者が最も主張すべき事が書いてある事が多いので、文中にその語があればキーワードとして押さえましょう。
◎2-b 最初と最後の段落に出てくる言葉を探す
入試の評論文で一番多いパターンとしては、「問題提起、主張(根拠)、答え」という流れになっていることが多いです。
これは、「序論、本論、結論」と言い換えられます。
この中で、序論と結論が文章のテーマであり、さらに両者は対応しているので、そこから探すといいという方法。
ちなみに、結論を読んだ後、序論に戻ると、全体の流れを見るのにちょうどいいので一度やってみるのがオススメです。
◎2-c:接続詞から探す
国語の文章中で出てくる接続詞の中には、特に重要なものがいくつかあります。
それは、「つまり」「しかし」「だから」。
各々、「言い換え」、「逆接」、「結論」を示す接続詞で、その後は筆者の主張が来ます。
だから、その下の文からキーワードが拾えるというわけです。
おすすめの方法として、
「逆接」は「▽」
「結論」は「○囲み」
していくと見やすいです。
以上、「2-a、b、c」の3つの方法でキーワードを見つけ、
さきほどの■1「キーワードの並べ替え」で書けば、要約が完成するとのことでした。
以上がドラゴン桜作中での、要約力トレーニング方法です。
要約力を学んでも、書けない人のための超お手軽トレーニング法
さて、ドラゴン桜で以上のような練習方法が説明されていましたが、こんな事を思っていませんか?
「それでも、いざ書こうとすると何も書けないんだ!」
「何となく読めたけど、何を書けばいいのか分からん」
と思うこともあると思います。
当たり前ですが、要約力の理屈だけ分かっただけでは、要約を書けません。
これは、自動車教習所で、学科だけ取って理論を完璧に学んでも、自動車に乗って実技をしないと運転できないのと同じです。
こればかりは、実際にトレーニングが絶対に必要なのです。
では、どんな人でもペンが動かせるようになる、お手軽最強のトレーニング方法を紹介します。
それはずばり、「模範解答の書き写し」です。
「え?それだけ?」と思いましたか?
そう、それだけです。
これなら出来ますよね。
要約力をつける練習をするときに、一番ダメなのは手が止まってしまうことですので、これなら手を動かすことが出来ます。
ただ、
「それだけじゃ、いつまで経っても出来るようにならないじゃないか!」
と思われることでしょう。
なので、方法というか、注意点が2つあります。
■写すときに、模範解答が何を述べているのか、本文のどこにあるかを意識する。
■最初は見ながら写し、覚えるつもりで反復して、徐々に何も見ないで作れるようにしていく。
模範解答の書き写しポイント1
まず1点目、
ただ何も考えず写すのでは無く、模範解答の内容を意識して、どこが重要なのか、その表現が本文のどこを取ってきたものなのかを意識して書くこと。
そうすることで、何となく要約の書き方が分かってきます。
「あ、これがキーワードで、こういうやり方で書けばいいんだ!」というふうに、
ドラゴン桜作中のトレーニング1「キーワードの並べ替え」2「キーワード探し」がわかってきます。
模範解答の書き写しポイント2
そして2点目、
これは自転車の練習で言うと、最初は補助輪をつけていた子が、徐々に補助輪を外していくのと同じです。
これを、要約力のトレーニングに当てはめます。
最初は何も書けないでしょうから、模範解答という補助輪を使い、写しましょう。
ただし「覚えるつもり」という条件付きです。
その上で、この模範解答の書き写しを6回ほどをめどに繰り返します。
3回目くらいから徐々に模範解答を見ずに書きましょう。
途中でつまったら模範解答を見て構いません。
ただし、最終的には模範解答抜きで、全て自力で書けるようになるまでやってください。
この訓練を繰り返していると、他の文章でも要約ができるようになります。
つまり、要約力がつくということです。
たとえるなら、あるママチャリに補助輪無しで乗れたら、マウンテンバイクも乗れるのと同じですね。
要約力をつけねばならないなら、ぜひ実践してくださいませ。
ドラゴン桜の要約力のまとめ
では最後にドラゴン桜の要約力をまとめます。
要約力=文章を読んで、「どういうことか」を短く言い換えてまとめる力。
そしてそのトレーニング方法として、
要約力を養成する方法1「キーワード要約」
その方法が
- 1-a時系列順に並べる方法
- 1-b主述関係(主語と述語)でまとめる方法
でした。
要約力を養成する方法2「キーワード探し」
その方法が
- 2-aタイトルから探す
- 2-b最初と最後の段落に出てくる言葉を探す
- 2-c接続詞から探す
でした。
そして最終手段として、どうしても要約できない人が要約力をつける訓練が、
「模範解答の書き写し」
で、その注意点が、
- 写すときに、模範解答が何を述べているのか、本文のどこにあるかを意識する。
- 最初は見ながら写していいが、覚えるつもりで反復して、徐々に何も見ないで作れるようにしていく。
でした。
以上のことを参考に、要約力をつけていってくださいませ。
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